2006年12月13日(水)12:51

メルケル首相は欧州議会選挙までのEU憲法成立を主張

ベルリン(AP)

ドイツのアンゲラ・メルケル首相はEU憲法を2009年の欧州議会選挙までに成立させるようあらためて訴えた。首相は水曜日ベルリンで、「私たちはこのような憲法条約が必要である」。憲法は現行の案を基本とせねばならない。EU議長国ドイツは2007年6月までに「今後どう進めたら良いか」提案を行なう意向である、と語った。

メルケル首相はドイツ第二放送(ZDF)のEUに関するディスカッション番組で、すでにEU加盟25ヶ国のうち18ヶ国*がEU憲法の批准を済ませており、残りの数ヶ国も不確定要素が解消されたならば賛成の意向であることを指摘し、フランスとオランダの国民投票否決も「完全な反対」ではないと強調した。首相は憲法条文の抜本的な変更や短縮には強く反対した。「まともなものにしようとして、すでにあるものから抜き出そうとしている」とメルケル首相は批判した。

メルケル首相は来年1月1日に始まるドイツの議長国任期について、6月の任期終了の首脳会議の時点で憲法批准プロセスの成果が発表されるなどという過大な期待をかけてはならないと戒めた。しかし欧州議会選挙までにはEU市民に対して今後の道筋を示さねばならない。「さもなければ選挙戦は意味のないものになろう」、と首相は述べた。

またメルケル首相は、ドイツ、ポルトガル、スロヴェニアが初めて試みる、今後18ヶ月の三ヶ国共同EU議長制度EU-Dreierpraesidentschaftが、憲法条約問題の取り扱いで良い結果をもたらすとの確信を表明した。三ヶ国共同議長制度により、息の短いというEU政治の欠陥が解消されると首相は語った。

原題:Merkel dringt auf EU-Verfassung bis zur Europawahl

*訳注:原文には「18ヶ国」とあるが、現時点での批准国は12月5日のフィンランドの批准で16ヶ国目である。(首相発言の誤りかAP通信の誤報かは不明。)




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